2020/06/27 09:51
「でも、主要な砦のひとつなんでしょう?」
「ちがうよ、第二級の砦だよ」オルティスは答えた。
「無用の国境線上にあるんだ」オルティスは付け加えた。「
「なんですって、無用の国境線ですって?」
「なんら気にする必要もない国境線だよ。
「砂漠ですか?」
「そう、砂漠さ、石ころと乾いた大地だけさ。
ドローゴがたずねた、「タタール人とはまたどうして? タタール人がいたんですか?」
「大昔にはいたんだろうよ。でも、いわば伝説さ。
「じゃあ、砦はこれまで一度も役に立ったことはないんですか?」
「なんの役にもな」大尉は言った。
ブッツァーティ『タタール人の砂漠』(脇巧訳、岩波文庫、2013 )
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